「――陣内さん!」

その声にハッと目を覚ますと、視界に入ってきたのは朝のまぶしい光だった。

「大丈夫ですか?」

心配そうに、陣内の顔を覗き込むひまわりがいた。

「さっきから、すごくうなされてたんですけど…何かあったんですか?」

「――いや、何でもない…。

全く、この部屋の寝具はホントに寝心地がよくないな」

陣内はため息混じりに言うと、額に手をやった。

べっとりと、手に嫌な汗がついた。

さっきまで見ていた悪夢が頭の中に浮かびそうで怖かった。

「陣内さん、後10分で朝ご飯の時間ですよ」

ひまわりに言われて、陣内はベッドの横のデジタル時計に視線を向けた。