Monsoon Town

「どうした?」

そう聞いた陣内に、
「流れ星」

ひまわりが言ったので、陣内は空に目をこらした。

だけど、それらしきものは見えなかった。

「何にもなかったぞ」

そう言ってひまわりに視線を向けると、彼女は祈りのポーズをしていた。

目を閉じた彼女のその横顔は、健気な感じがした。

しばらく、ひまわりはそうやっていた。

目を開けて祈りのポーズを解いたひまわりに、
「何やってたんだ?」

陣内は聞いた。

「願い事をしていました」

ひまわりが笑いながら答えた。

「願い事?

何を願ってたんだ?」

「それは秘密です」

そう言ったひまわりの表情は、どこか嬉しそうだった。