Monsoon Town

バーベキューパーティーも終わって、中庭はすっかり静かになっていた。

聞こえるのは、虫の音だけである。

「陣内、少しは手伝えよ」

バーベキューセットを片づけながら、藤堂が言った。

「そうやってお前がやらなくても、後はここがやってくれる」

「全く…」

藤堂は呆れたように呟くと、
「じゃ、ゴミを捨ててから先に部屋に戻ってる」

パンパンに入っているゴミ袋を両手に持つと、藤堂は中庭を後にした。

「藤堂さん、まじめですね」

藤堂の姿が見えなくなると、ひまわりが言った。

「あいつは昔からまじめなヤツだよ」

ため息混じりに言った陣内だが、ちゃんとわかっているのだとひまわりは思った。