Monsoon Town

「かわいいとか、愛想がよくなったとか、上品になったとか…桃井は気づいてないと思うけど、かなり評判がよくなってるよ?」

「そうなんですか?」

「そうだから言ってるんだけど」

「すみません…」

「恭吾!」

向こうから手を振るのは、東雲の妻の理彩である。

彼の下の名前はそんなのだったなと、那智は思った。

「じゃ、もう行くから。

肉は早くとった方がいいぞ。

桃井はそんなに太ってないから」

「なっ…!」

そう言おうとしたら、東雲は妻の元に向かっていた。