Monsoon Town

(恋をしてるって、わたしが…?)

そう思っているひまわりに、
「陣内を見ると心臓がドキッとする、恋をしてる証拠だ」

藤堂が言った。

「わたしが、陣内さんに…?」

「そう言うことだ、ひまわりは陣内が好きなんだよ。

そうだろ?」

そう言った藤堂に、ひまわりは首を縦に振ってうなずいた。

「わかったなら、早く陣内のところへ行ってこい。

あいつ、待つことは嫌いな性格だから」

「はい、わかりました」

ひまわりは返事をすると、藤堂の部屋を後にした。

陣内の部屋に入ると、ドアが閉まった。

藤堂は陣内の部屋のドアを見つめると、
「――あいつが陣内を変えてくれるといいな…」
と、静かに呟いた。