放課後のグラウンドは、周りがオレンジ色に染まっている夕暮れ時だった。

「お疲れ様」

部活を終えて、汗だくになっている男の子にタオルを差し出した。

「サンキュー」

彼は爽やかに返事をすると、差し出したタオルを受け取った。

汗をタオルでぬぐう彼を嬉しく思いながら、その顔を見つめた。

見つめていたら、彼と目があった。

急に彼と目があったため、ドキッ…と胸がときめいた。

顔が紅くなって行くのが、自分でもよくわかる。

この顔の紅さを、夕日のせいにしてしまいたい…。

何かを言うように、彼が唇を開いた。

「――あのさ、俺…」