くまのぬいぐるみを抱きしめて、ソファーのうえで眠っているひまわりがいた。

「どうした?」

後ろから藤堂がやってきた。

「おや、寝てる」

ひまわりの姿を見た藤堂が言った。

「待ちくたびれて眠ったんだろうな。

それにしても、かわいい顔をして眠っているな」

ひまわりは静かに寝息を立てて眠っていた。

「ああ、そうだな」

陣内はひまわりが眠っているソファーの近くに寄ると、腰を下ろした。

こんなに近づいても眉1つ動かさないところを見ると、かなりの深い眠りについているようだ。

(まるで、あの日だな)

彼女の寝顔を見ながら、陣内は思った。

あの日――それは、自分とひまわりが初めて出会った日のことである。