同じような場所にいる陣内と比べても彼女とつりあうと、藤堂は思った。

「わかりました」

パタンと見合い写真を閉じると、藤堂は言った。

「お見合いを彼に勧めます」

そう言った藤堂に、
「いい報告を待ってるよ」

龍太郎が笑いながら言った。

藤堂は笑みを作りながら、複雑な気持ちになっていた。

(いい報告を待ってる、か…)

期待通りに、陣内が首を縦に振ってうなずいてくれるとは思えない。

「そうだ、もう1つだけ龍平に言ってくれないか?」

そう言った龍太郎に、
「はい、何でしょうか?」

藤堂は返事をした。

「もうすぐ、あの日がくると」