「ありがとうございます」

ひまわりは店員からぬいぐるみを受け取ると、大事そうにギュッと抱きしめた。

「藤堂に渡さなくてもいいのか?」

そう聞いた陣内に、
「わたしが持ちます」

ひまわりがニコッと笑いながら言った。

「ひまわりは優しいな~」

うんうんと、藤堂は首を縦に振ってうなずいた。

ギュッとぬいぐるみを抱きしめるひまわりの顔は、とても嬉しそうだ。

そんなひまわりを、陣内は微笑ましそうに見つめていた。

一方で、離れたところからその光景を見つめる人物がいた。

「――あの子、誰…?」