Monsoon Town

次の店では、靴を購入した。

「彼女のワンピースに似合うサンダルが欲しいのですが」

そう言った陣内に店員が持ってきたのは、茶色のサンダルだった。

ひまわりは気に入ると、早速それを履いた。

「陣内、1つくらい持ったらどうだ?」

両手いっぱいに紙袋と小脇に箱を抱えた藤堂が言った。

全部、ひまわりのものである。

「荷物持ちはお前の役目だろ?」

サラリと言い返した陣内に、藤堂は大きなため息をついた。

そんな2人とは反対に、ひまわりは落ち着かなそうに首を左右に動かしている。

「ひまわり、まだ買いたいものがあるのか?」

そう聞いた陣内に、
「いえ、そうじゃないんです」

ひまわりが言った。

「じゃあ、どうした?」

陣内は聞いた。