藤堂はふうっと息を吐くと、
「その厄介が気になるところだけど、今回は黙っておく」
と、言った。

「なあ、藤堂」

「何だ?」

「今週の日曜日、何か予定は入っているか?」

そう聞いてきた陣内に首を傾げながら、
「特にないけど、どうしたんだ?」

藤堂は聞き返した。

「その日、ひまわりと出かけようと思うんだ。

あいつにも服とか必要なものを買ってやった方がいいだろう?

俺の服ばかり着て生活するのも無理があるし、ひまわりにだって必要なものはあるだろう」

「まあ、そうだな」

「だからその日は絶対に予定を入れるな。

ついでにお前もな」

「なっ、何で?」

「お前は荷物持ちだ」

ピシャリとそう言った陣内に、藤堂は返す言葉がなかった。