それを龍太郎の手から受け取ると、藤堂は開いた。

左右に女の写真が貼ってあった。

赤茶色のミディアムロングの女だった。

眉の下でキレイに切りそろえられた前髪から覗く、猫のような大きな目。

色素の薄い白い肌。

形のいい紅い唇。

「龍平の見合い相手、『周財閥』の令嬢さんだ」

そう言った龍太郎に、
「周財閥!?」

藤堂は驚いて聞き返した。

『周財閥』とは、陣内が経営する会社と同じくらいの大企業だ。

「1人娘の周綾香(アマネアヤカ)さん、都内の大学に通う21歳のお嬢さんだ」

写真を見つめる藤堂に、龍太郎が説明した。