小さな手だと、陣内は思った。

繋いだ手は、あっという間に自分の手の中に包み込まれてしまった。

陣内は、何でこんな行動をしているのだろうと思った。

ひまわりの髪を乾かしてあげたこと。

そして、ひまわりと手を繋いでいること。

無意識だったとは言え、陣内は自分を疑った。

当のひまわりは安心したような顔で深い眠りについていた。

陣内は手を伸ばすと、指で彼女の髪をすいた。

サラサラと、黒い髪は指と指のをすり抜けて行った。

「――俺は、何でお前にこんな名前をつけたんだろうな…?」

ひまわりの寝顔を見ながら、陣内は呟いた。

その呟きに対して返ってきた答えは、ひまわりの寝息だった。