Monsoon Town

「――あっ…」

ひまわりが小さく声をあげた。

「どうした?」

そう聞いた陣内に、
「――陣内さんが笑った…」

ひまわりが言った。

「はっ?」

笑ったとは、一体どう言うことなのだろうか?

そう思っていたら、
「陣内さん、いつも無表情…と言うか、怖い顔をしてるから」

ひまわりが呟くように言った。

「怖いって…」

(そんな風に見えるのか…)

複雑と言えばいいのやら、何なのやら…。

「笑った顔の陣内さん、すごくかっこよかったです!

あ、普段の方もかっこいいです」

「“も”って、何だよ…」

それが余計なことのような気がするのは、気のせいにした。

「あ、もうこんな時間だ」

壁の時計に視線を向けたひまわりが言った。