「私の前では“おじいちゃん”と呼んでくれてもいいんだよ?」

笑いながらそう言った彼に、
「はあ…」

藤堂は苦笑いを浮かべた。

幼なじみの祖父だとしても、しょせんは上の人間である。

「早速ですが、お話を」

そう言って話を切り出した藤堂に、
「ああ、そうだったね。

奥田、下がって」

竜太郎の指示に奥田は会釈をすると、部屋を後にした。

バタンと、ドアの閉まる音が広い部屋に響いた。

「そこに座って」

藤堂は頭を下げると、ソファーに腰を下ろした。

彼の向かい側のソファーに、龍太郎も腰を下ろした。