Monsoon Town

それは一体、誰のことを指差しているのだろうか?

両親だろうか?

兄弟姉妹だろうか?

それとも、恋人なのだろうか?

どれにせよ、彼女は誰のことを指差しているのだろうか?

そう考えていたら、
「熱ッ!」

ひまわりは悲鳴をあげた。

ドライヤーと彼女の頭の距離が近過ぎてしまった。

「ああ、すまない」

謝った陣内にひまわりが視線を向けてきたので、
「…大丈夫か?」

陣内は聞いた。

その問いに、
「大丈夫です」

ひまわりが微笑んだ。

陣内はドライヤーのスイッチを切ると、
「髪、乾いただろ?」
と、声をかけた。

「はい、サラサラです」

指で髪をとかすひまわりに、顔が勝手に動いてしまった。