Monsoon Town

30分後、ひまわりがバスタオルで髪をふきながら部屋に戻ってきた。

「サッパリしたか?」

ベッドのうえに腰かけていた陣内が聞いた。

「はい」

ひまわりがベッドのうえに腰を下ろした。

「風邪をひくといけないから、髪をちゃんと乾かしてから寝ろよ」

「はーい」

素直に返事するひまわりに、陣内は微笑ましいものを感じた。

髪をふき終えてドライヤーを取り出したひまわりに、
「――髪、乾かしてやろうか?」

陣内は声をかけて、すぐにハッと我に返った。

(俺は一体何を言い出したんだ…!?)

自分が言ったことに気づいても、時すでに遅しである。