Monsoon Town

その様子からして見ると、悪夢にうなされているようだった。

「ひまわり!」

陣内は叫んで、ひまわりの躰を揺すった。

「ひまわり!」

ハッと我に返ったように、ひまわりが躰を起こした。

「――陣内さん…」

そう呟いたひまわりの顔は、具合が悪いのかと思うくらいに青かった。

頭から水をかぶったかのように、全身が汗びっしょりだ。

「ひまわり、大丈夫か?

お前、ものすごくうなされてたぞ…?」

そう言った陣内に、
「――ごめんなさい…」

ひまわりは目を伏せた。

「何かあったのか?」

そう聞いた陣内に、ひまわりはフルフルと首を横に振って答えた。