Monsoon Town

その悲鳴に、陣内はベッドから落ちそうになった。

別の部屋で眠っているひまわりの声だ。

何があったのだろうか?

陣内はベッドから降ると、寝室を飛び出した。

隣のひまわりの部屋のドアを開けたとたん、
「こないで!」

ひまわりが叫んだので、陣内の躰がビクッと震えた。

当のひまわりはベッドのうえで横になっていた。

「ひまわり、どうした!?」

陣内はひまわりのベッドに駆け寄った。

「やめて、もうしないから!

お願いだからやめて!」

ひまわりは自分の身を守るように躰を丸くして、悲鳴をあげていた。