煌びやかなシャンデリア。

新品のような革張りのソファー。

ピカピカのガラスのテーブルのうえには、アンティーク製のティーセットが置かれていた。

ここへくるたびにすごいなと、藤堂は思った。

「こんばんは、伸一郎くん」

銀髪にスーツを着こなした優しい顔の老人――彼こそが陣内の祖父、陣内龍太郎(ジンナイリュウタロウ)である。

70歳は越えているだろう。

けど、それを感じさせないくらいの若々しさは40代後半から50代前半くらいに見える。

「お久しぶりです、会長」

頭を下げてあいさつした藤堂に、
「相変わらず律儀だね、伸一郎くんは」

クスッと、龍太郎が笑った。