君と歩く未来

「柊、人は何で人を好きになるのかな?」
夏姫が言った。柊は、何も言わずただ立ち尽くしていた。
「夏姫は、好きな人いるの?」
柊は訊いた。
「・・・・・・」
夏姫は、黙ったまま窓の外を見ていた。
「好きだっていう気持ちだけじゃ、どうにもならないことだってあるんだよね」
夏姫の声は悲しそうだった。顔は見えないが、後ろ姿が寂しそうに見えた。
「幸せって、人を好きになるって、なんなんだろうね」
「分からない」
柊は言った。



今まで、そんなこと考えたこともなかった。




人は普通に、好きな人を見つけて、幸せになるんだと思ってた