次の日。夏姫は、いつもと変わらない時間を過ごしていた。授業中は、先生の話しなんて全く聞いていなかった。
横を見ると、寝ている柊の姿。なんだか愛しく思えた。
「何見てんのよ」
突然、後ろの席から声がした。後ろの席は、華菜だった。
「見てないよ」
夏姫は言った。
「ふーん」
華菜は、何か察したようだった。


四時間が終わり、昼休みになった。華菜と一緒にお弁当を食べていた。
「ねぇ、夏姫」
華菜が言った。
「ん?」
「もしかして、柊君のこと意識してる?」
華菜の突然の言葉に、夏姫は飲んでいたお茶をむせそうになった。
「なんで?」
夏姫は訊いた。そして辺りを見回し、柊がいないことを確認した。
「違うの?だって、よく柊君のこと見てるし」
華菜は言った。
「やめてよ」
夏姫は言った。



昼からの授業は、全く頭に入らなかった。柊のことが頭から離れなかった。




私って、柊のこと好きなの?