「夜逃げじゃねぇよ!昼間逃げてんだから…昼逃げなんじゃね!ハハハッ♪」


「なっんで…アンタがここに…」


「アンタ!?お前に誰に向かって言ってんだ?」


と俺は女の頭に手を乗せ、髪をグシャグシャにした。

「しっかし!なんだここ?犬小屋か?汚っねぇな」


「汚いとは何よ!犬小屋とは何よ!なんでアンタがここにいんのよ!ウワーン」


げっ…

泣き出しやがった…


目の前に座り込んで大泣きする女を見て


仕方ないなぁと女の前に俺はしゃがんだ。


「だいたい俺を誰だと思ってんだ?八女財閥の息子だぞ!その気になれば、なんでも出来んだよ!!」


「…グズ。ゥッ…だっ…だから?クリーニング代でも請求しに来たの?見てのとおり今は無理だからね…。グズ…」


涙でグシャグシャな顔で、鼻を啜りながら女が言った。



「バッカじゃね~そんなはした金せびり来るかよ!」

「じゃあ何のよう?」


「言っただろ?覚悟しとけって!」