「サキ!」





サキ。それはあたしの名前。



幼なじみのきみに呼ばれてあたしは振り返る。






「タク、くるの遅い」




「わりーわりー。HR長くてさ、」





本当に悪いと思ってる?、と聞きたくなるくらいタクは笑顔であたしに謝っている。




拗ねたように、ぷくっと頬を膨らませるとタクは少し困ったように笑った。





「ほんと、わりーな。サキ?なんか食って帰るか」





その言葉に、つい笑顔になる。




「タクの奢りね?」




「んーっ、しゃあねぇなあ。」





「やったあ!早く行こっ!」





筋肉のついたタクの腕をぐいぐい引っ張るとタクはハニカミながら歩き出した。






「ファミレス行こっ!」




「ああ。分かったからあんま引っ張んな。ゆっくり歩かないと転ぶぞ?」





意地悪そうに笑うタクに、何故だか胸が少し、高鳴った。






「はあ?転ばないもん!」