私はもう一度、幸せそうに微笑む二人の写真を見つめた。



「舞が高校二年生の時にね…やっと王子さまを見つけたよって、学くんを紹介してくれたの…」


気が付くと、本多さんの瞳には、涙がたまっていた。



私は、そんな本多さんを見ていられなくて、話を止めようと立ち上がった。



でも。



ガシ――…!!


委員長が、私の腕を掴み、静かに首を振った。



委員長の目が‘最後まで聞いてあげて’と言っているような気がした。








「学くんも…本当に優しい子だったのよ…。

よく家に遊びに来てくれて、私の話し相手になってくれていた…」


本多さんは、時々、溢れる涙を手で拭いながら、それでも話を続けている。


いつの間にか、聞いている私の胸にも、熱いものが込み上げてきていた。





「似ているのよ…」


「え…?」


本多さんの口から突然出て来た言葉。


‘似ている’って、誰と誰が似ているのだろう…?



すると本多さんは、私と委員長を交互に見ながら言った。



「柚季ちゃんと…雪也くん。

舞と学くんに、似ているの…」