私だけの王子さま





恋人同士なのだろうか。


写真の中の男女は、仲良く腕を組みながら、幸せそうな様子だった。



でも、この二人は本多さんとどういう関係なのだろう?


私は再び、視線を本多さんへと戻した。



…しばらくすると、私の視線を感じ取ったのか、本多さんがポツリと話し出した。


「…右側に写っているのが、私の孫の舞。左側がその恋人の学くん…」


それだけ言うと、何かを思い出すように目を細めた。



三人の間には、再び沈黙が流れる。


窓の外からは、くじ引きの一等が出たことを知らせるベルの音が、カランカランと聞こえていた。







「…二人とも、

生きていれば、来年が成人式だった…」




「…え…?」


私は、耳を疑った。



生きて…いれば―――?



ふと隣にいる委員長を見ると、とても切なげな表情を浮かべていた。




「二年前の夏にね、二人で仲良く出かけた海で、事故に遭って…」



二年前…。


当時二人はまだ高校三年生だったはずだ。


今の私とひとつしか変わらない。


そんな若くに、命を落とすなんて…。



「そう…だったんですか…」


私はただ、俯くことしかできなかった。