麻智は、どうしていつも心にグッと来る言葉が言えるのだろう?


麻智みたいな人が親友なんて、私、本当に恵まれている。



「麻智、私…」


そこまで言うと、麻智は静かに微笑んだ。


「今度は、柚季の番だよ。

委員長の心にある‘見えない壁’取っ払ってこい!」


「うん、ありがとう!」



今の私があるのは、麻智のおかげ。


そして、委員長のおかげ。



だけど、これからの自分を作っていくのは…



私自身なんだ。



自分とは違う人たちを見て羨んだり、

あんな風にはなれないってちっぽけな自分に卑屈になったり。



そんなことでは、前には進めない。



変わりたいって思うなら、

もっと、自分から変わる努力をしなければいけない。


好きな人に近付きたいなら、そのための努力が必要なんだ。



麻智に言われるまで、こんな簡単なことにも気が付かなかった。



だけど、今日で…


そんな私に、さよならしよう。



新しい自分を見つけるために―――。