「はぁ…はぁ…はぁ…」


熱く湿った吐息がヘルメットを曇らす

苛立ちを隠さずに脱ぎ捨てる



視界は広くなったが、そこに映る画面は狭い


真っ黒な宇宙空間に点々と光る星


綺麗だが、今はそれどころではない



「やつは、ラムダはどこだ!」



不意に赤く光る右の肩部アラーム

「後ろかっ!」

「遅いぞ、ロー!」




頭部カメラが振り向いた瞬間に、閃光とともに雨のようなビームが飛んできた


「くそっ!」


両足のペダルを思い切り踏み込み、レバーを右へ倒す


無重力航行兵器『ユノ』

残された最後の二機のうちの一機『ロギア』は、背中と膝のバーニアを噴き出し、ビームをかわす。



そして改めて見つめるその先には、もう一つのユノ『アルバトロス』が近づいていた