白き翼

輝く一角

煌めく鬣


その全てが『美しい』の一言では済まない


私を追い求めて朽ち果てるものは星の数ほどいる

しかし私は捕まらない


私の長寿の角を求めるものに


風より早く走る私は捕まえられない


私の雷雨を呼ぶ鬣を求めるものに


嵐を駆け抜ける私は捕まえられない



私の空を歩く翼を求めるものに

神の使いたる私は捕まえられない



私の姿を見たものはいない

しかし私は実在する


清らかなる純粋な乙女には私が見える



いつの日か

そのような者が現れる日を願って



今はただ誰も知らない泉へと

姿を隠すのであった