転がるバレーボール

埃まみれの跳び箱

丸められたマット



薄暗い体育倉庫の中

電気も付けずに俺は愛来(あいら)に急接近していた


「ダ、ダメだよ…春斗(はると)…」



壁際に追い詰め顔は至近距離

目は背けているが、チラチラ見るその瞳が愛らしすぎる…


「もう…学校には誰もいない…二人っきり…」


小声でも吐息が触れる


少し強引にすればなんでもできる


「で…でも…」


逃げたいのか逃げたくないのか、身動きできない愛来

顔を赤らめ、期待しているのか、心の準備がまだなのか


「愛来…俺…もう…」



顔を傾け目を閉じる