生きる意味

私は何年間もため込んでいたフラストレーションを、私を励まそうとしている銀次君に、思わずぶつけてしまっていた。

本当に私は最低な女。それが解っているのに、こんな言葉を銀次君に言ってしまう私が本当に嫌いだ。ホント……最低だわ。

…今ので絶対に嫌われたろうな。

自分でしでかした事態なのに、早くも言ってしまった事を後悔する私だった。

「助けを求めた事あるのか？」

「え？」

「辛くて苦しい思いをしていたんだろ？それを誰かに助けを求めた事があるのか？」

銀次君は先ほどと何も変わらぬ口調で私にそう聞いてくる。

助けを求めた事…それは。

ない…。

「人間って奴は何かにしがみ付きながら生きる生物だ。光をイジメた奴等は、光が抵抗しないと思っているから強気になっているだけで、どんなに強く見せようが、実際は小さいプライドの塊みたいな存在なんだよ…言ってしまえば綿ゴミの集合体だな。そんな奴等なんか、お前の力強い吐息一発で吹っ飛ぶさ」

銀次君ってなんでこんなに大人なのかな…。

普段の彼は、バカっぽい雰囲気を残しながら、自分の思うままにやりたい事をしている人なのに…。

「それにまだ助けを求めれるとびっきりの男前が一人居るじゃねぇかよ。センコウなんざ目じゃないほどに頼りがいがある男前がな…」

あぁ…解ったかもしれない。

銀次君が何でこんなに大人っぽいかが…。

「どこ？？」

「ほー…さては視力が0.003ぐらいだな。もしくは乱視か？」

この人は良い意味でも悪い意味でも素直な人。それでいて、変な先入観がない人なんだわ…。

だから真実を見る力がある。