「月人、お客さんだよ」

「あぁ」

玄関まで行くと見覚えのある人。

「…お前、あずさ?」

そう言ったのにあずさは黙ったまんま首を傾げた。

母親が言う限りあずさは

事故で耳がきこえなくなった、と。