「なぁに~。今、休憩中なの~。起こさないで頂けませんことぉ?」
……。
言葉を失った。
その口調、その声の太さから、今にも豪快な香水の匂いがしてきそうな、ジャラジャラと宝石をぶら下げて出て来そうな、そんなイメージが一瞬で湧いた。
もぞもぞと小刻みに動くお尻と小さな尻尾を見ていると、とても愛らしいのだが。
「ちょっと出てきてもらえないかな? 確認したいことがあるので…」
喋りながらシンシの背中から降り、ゲージの近くに移動する。
「いやよぉ…。だって、ここ、気持ちいいんですものぉ~。ティッシュペーパーのベッドって最高なのよぉ」



