『め…めんどくさい…』
初心者向けの仕事をお願いするとカジに言ったはずだ。それを受けて引き出しをあさって居たのだとばかり思っていたのだが、違ったようだ。
カジのマイペースを貫く心は堅いようだ。
「確かに、必要なこと以外聞くのは時間の無駄になるね」
葉瑠も小声で返答する。そのままさくらのゲージに近づき、居座るつもりであぐらをかいた。
「毛づくろい、嫌い?」
「………」
………。
「………。」
………。
「………嫌い。」
たった一つの会話のはずが、予想以上の疲れを感じた。
『もう…帰りたい…』
がっくりとうなだれ、頭を抱えた。