残った子を優しく、やさしく抱きしめて、溢れる涙を、ただひたすら流した。 「貸すにゃ」 片手に小さな哺乳瓶を持ったカジに、指の隙間からすり抜けてしまいそうな程小さな身体を託した。 力なく座り込んだ葉瑠は、初めて経験した生きているものの余りに早すぎる最後を想い、床に突っ伏すように涙を流した。 ‡‡‡‡‡‡ 数時間後。 手のひらの5分の1程の小さな猫は、柔らかいタオルに埋まるように眠っている。