ピンポーン


「んを?」

休日の午前、惰眠を嬉々として貪っていた聖はチャイムの音に意識が浮上した。

うるさい…

ぼふんとふかふか羽毛布団を頭からかぶり、外界との音を遮断する。


ピンポーン…ピンポーン…



………



ピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポーン


「だあああうるせええええ!!!!」

聖は勢いよく飛び起き、機嫌悪そうに足音をわざとダンダン立てながら玄関へと向かった。


「あ、聖おはよう」
「あれ?零じゃなかったの」
「うん、ちがう。つーか出るな、なんか嫌な予感しかしない。こんだけチャイム連打するやつにろくなやついないから取り敢えず警察呼ぼう」

「…オイ」

「警察呼ぼう、な?」


ガッシリと聖の肩を掴む手に変に力がこもっている。
ギリギリとどんどん力が増していく辺りコイツどんだけ嫌なんだ。


「わかった」

「聖……」


「ずっと待たせるのもあれだから、あがらせてあげよう」



「………エ」