聖の目の前に座って、ひたすら納豆ご飯を咀嚼している(自称)神様はかなりの長身だ。


玄関から出ようとするとまず頭をぶつける。それも毎回。

ぶつけた回数は十回を超えた時点で数えることに飽きたが、今軽く千回は越している(そして今後も増え続ける)だろう。

(自称)神様のくせになんて学習能力の無いやつだなんて思うのも九回目で飽きた。

ぶつかる度に酷く煩い音がするのもいい加減にして欲しいものだと聖は思う。



「聖ー…くだんねぇこた考えてないでさ、時間大丈夫なのかよー」


ニヤニヤしながら長い指で腕時計を指差す零。

嫌な予感しかしない中、聖の視線は恐る恐る腕時計に向いた。


聖お気に入りの、シンプルなアナログ式腕時計は無情にも、
長針が4、短針が8を指していた。


「あ゙あ゙あ゙あ゙!!?」


ガターンと物凄くでかい音を立てながら聖は立ち上がった。

反応が楽しかったらしい零は声にならない笑い声をあげながらバンバンとテーブルを叩いている。
普段いくら物ぐさな聖でも、単位を落とす事に繋がるような事はしたくないらしい。

「送れッ零!」
「べーつにいいけどさぁ~…。それひとに物頼む態度~?」

零はニヤニヤ通り越してニタニタ笑いながら嫌に間延びした言葉遣いで椅子から立ち上がって見下してくる。

聖はぐっと詰まってから、俯いて

「お、送って下さい(コノヤロー)」
「ん?」
「な、んでもないです」
「君は僕が神様て信じてくれないから徒歩で良いよね。

…いってらっしゃいvV」





バタンッ

聖 は 追い出された ▽




あンのやろおおおお!!!!