次の日――

莉花は学校を休んだ。
体調不良だそうだ。

涼は早退した。
理由は知らないけど…。

「あの、東海林さん?」
「えっ?あ、はい!」
二階堂クンはいつだって唐突だ。
「あの…大丈夫ですか?」
「何がですか?」
意味の分からない質問にとまどう。
「目の下、真っ黒ですよ?」
「へ?真っ黒?」
「自分で分かってないんですか?」
「はぁ……。あの、教えてくれてありがとう…」
二階堂クンは笑顔で小さく頷くと、足早に長い廊下の奥へと消えた。

昨日眠れなかったのは事実。
でも、そんなに寝てなかったっけ…?

「うっわ〜、ブタ花菜の目の下真っ黒け〜」
「………」
何か言い返す気力もなかった。
いつもならこんな奴瞬殺してやるのにな…。
「真っ黒ブタ花菜〜〜」
…ガキが。

昨日、教室を飛び出したっきり戻って来なかった莉花。
無論メールも電話も通じず、今日を迎えた。
心のどこかで胸騒ぎがした。

涼なら何か…知ってるかな…?

どうしてこんな考えが浮かんだんだろうね。