外はぽかぽか陽気で桜色が目に映える。

なのに私の気分は重い。

今、校歌を口パクで斉唱している。歌う気などない。

「あーめんどくさいー。」

そう話しかけてくるのは、私の親友の佳代(かよ)

背が高く顔立ちがはっきりした彼女は目立つ存在で。

芸能事務所にスカウトされてモデルの仕事をしている。

そんな親友を持つ私、美穂(みほ)は背が低く童顔でとても高校3年には見えない。



新学期。HR。

手元に一枚の紙が配られた。

進路希望調査。

「この一年。君達にとって一番大切な時期です。
 
 大学。専門学校。就職。
 
 どの道に進みたいか希望を書いて来週までに提出するように。」

と担任の女教師、藤沢はさらっと言った。

「あぁ・・・めんどくさいな」っと思いながら私はそれをただ眺めていた。






一週間後。


「3年A組 金田 美穂。職員室担任まで」

呼び出しをうけた。

うざっ・・・。

「何悪いことした?」

って佳代が話しかけてくる。

「何もしてないよー」

っと私は苦笑いして嫌々職員室へ。

担任はこっちこっちとばかりに手をふってきた。

「金田さん。これはどういうこと?」

っと一枚の紙を出し尋ねてきた。