『誕生日6月13日、血液型はA。身長155cm、体重47kg……“情報屋”は虎杖春』


一通り、歪が黄泉風のプロフィールを言い終わったとき、電話から『僕がどうかしましたか?』という虎杖の声が聞こえた。


「春っ!口を割りましたね……!」

『いい“情報屋”を持っているじゃないか、黄泉風』


電話ごしのやりとりを終え、寒夜が口を開いた。


「……なんで、“媒介”の説明を歪がしたと思う?」

携帯から、歪が短く笑った声がした。


「俺の“情報屋”は優秀だから」

『“媒介”は扇子だ!』


その言葉を合図に寒夜が思いっきり前に跳ぶ。

一瞬、反応が遅れた黄泉風は風を繰り出そうと扇子を左から右に、大きく仰ぐ。

その風を切り、黄泉風が寒夜の間合いに入る。


「くっ…!」


間合いから出ようと後ろに下がるが間に合わない。

寒夜はもう目の前だ。

黄泉風は扇子を閉じ、防ぐ体勢に入る。
寒夜は刀を上段に構え、振りかぶる。


カキンッ!


小気味いい音が響いた。