『力があれば、いいのか?』


後ろから声をかけられた。振り返ってみると銀髪の少年がいた。


『君、だれ?』


警戒しながら尋ねる。
銀髪の少年は腰に刀を下げていた。


『俺は……“殺し屋”だ』

『“殺し屋”……』


その存在はどんな人でも知っている。
“陰”―シャドウ―を壊し、世界を守る守護者。


『“殺し屋”が、僕に何の用?』

『俺の“情報屋”にならないか?』

『“情報屋”……?』


聞き慣れない言葉に少年は首を傾げた。


『俺達、“殺し屋”の助手、みたいな……?』


(なんで疑問系なんだろう……)


『俺はお前に力をやる。お前は俺に知識を貸せ』


銀髪の少年はにこりとも笑わずに言う。


『利害関係、とか?』

『……それそれ』


少年は少し考えた。
本当に少し悩んで、不適に微笑んだ。


『……いいよ、僕がやる。僕に、やらせろ』


『利害一致、だ』



その日は、降り出しそうな曇り空。



(少年二人は手を取り合った)


the opening...