バカだった。

俺はずっとつまらない過去にとらわれて、心の奥に人を愛する気持ちを封じ込めていた。

愛してほしいのなら、まず自分が愛さなくちゃいけない。


そんな簡単なことを忘れていた。




『由綺!!』


呼び鈴も鳴らさず、由綺の家に駆け込む。

勝手に押し入り、由綺の部屋に向かう。


扉を開けるといた。



恋焦がれた人が……。