3月。 暦上の立春なんて一ヶ月以上も前に過ぎたのに、俺のまわりはまだ冬のように寒かった。 最後に由綺に会ったあの日から、学校には行っていない。 誰にも会いたくないから。 いや、違う。 由綺、君に会いたいよ。 だけど会えば君は苦しむだろう? 触れられないなら、会うべきじゃない。 ごめんな、由綺……。 俺は君を傷つけることしかできなかったね。