オペ室に着くと、由綺のお父さんとお母さんがいた。 お母さんは蒼白な顔をして、力なく椅子に座り込んでいる。 お父さんは落ち着きなく、オペ室の前を行ったり、来たりしている。 「あなたは……」 由綺のお母さんがそう言ったとき、“手術中”のランプが消えて医師が出てきた。 「「先生、由綺は!?」」 そう言って二人が駆け寄った。 緊張で表情が強張る。 「手術は無事成功しました」 医師のその言葉を聞いた瞬間、緊張の糸がぷつりと切れて俺は意識を手放した。