あの頃は幸せだった。 ほんの数日後に別れることになるとも知らずに。 できるなら、何も知らなかったあの頃に戻りたいよ。 由綺の姿を見ていると、胸が苦しくなってきた。 本当は今すぐ駆け寄って抱きしめたい。 でも、君は俺じゃダメなんだろう? 俺がどんなに君の隣にいたいと願ったとしても、君を幸せにすることができないなら俺は君の隣にいるべきじゃない。 あんな憎まれ口たたいても、やっぱり君には幸せになってほしいから。 もう帰ろう。 由綺は無事だった。 あの胸騒ぎはきっと俺の勘違いなんだ。