公園に辿りつくとツリーの位置からは見えない入り口から中に入った。 遊具の陰に隠れる。 会うつもりはない。 ただ、何か胸騒ぎがして来ずにはいられなかった。 時計の針は9時半を指し示している。 もうさすがにいないだろう。 そう思いながらもツリーの方を見ると、真っ白なコートを着た由綺の姿が目に入った。 11月初め。 由綺をきれいだと思ったあの日に見た雪の白さを思い出す。