「じゃぁ、本当にあたしの彼氏になってよ」 ガシャンッ。 「うわっ、やべっ」 平ちゃんが目を見開いて、真っ暗闇の後ろを覗き込んでいる。 「鉢倒したな……母さんに怒られる」 平ちゃんが、あちゃーと額に手を当てて目を瞑った。 「カオリが変な冗談言うからだよっ」 「冗談じゃないし」 そりゃ、つい言っちゃったことだけど、冗談じゃない。