翌朝。

「さぶい……」


 もう、二月も終わりに近付いていると言うのに、春の気配は全然訪れない。


 今日のバイトは午後からだから、ホントはまだ寝てる時間なんだけど……。


「カオリ、おはよう。待っててくれたの?」


 平ちゃんが玄関から出てきた。

「だから、平ちゃんなんて待ってないってば」


 そう言いながら、あたしは平ちゃんの胸に袋をバンッと押し付けた。


「もしかして……」