あたしがムッとして扉に向かうと、平ちゃんの能天気な声が飛んできた。


「あ、カオリ、久々にゲームやらない? 新作買っちゃった」


 そう言いながら鞄からガサガサと袋を出す。


 出てきたのは格闘ゲーム。


 ……ふん。

「あたしに勝てると思ってるの?」


 見下ろして言うと、平ちゃんはゲームソフトを手にしながら、リビングに向かった。

「俺を甘く見ちゃダメよ?」

 なんて笑いながら。