平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)

「柚子ちゃん大丈夫かなぁ。朗さんなんて、人のこと放って置いて行きそうじゃん」

「いやぁ……朗は、離れろと言っても、離れないと思うよ」

 平ちゃんは苦笑して、出口を見つめている。

 あの鋼鉄がねぇ……?



 少しして、朗さんの腕にすがりついた柚子ちゃんが目を瞑ったまま出てきた。

「うわー、朗、役得ー」


 心底羨ましそうに言うので、あたしは平ちゃんの背中をバシン、と叩く。


「いてっ」